亀有香取
神社計画

亀有鎮座740年 亀有香取神社計画

亀有香取神社鎮座740年を記念して、社務所の建て替え・カフェ棟の新築、境内バリアフリー工事、ライトアップ等をまとめて行なった計画である。

亀有香取神社は長きにわたり地域の神社として信仰されてきたが、立地の利便性と隣接地に大規模商業施設がオープンしたことなどにより、近郊地域や他県からも多くの参拝者が訪れ、境内設備の不足や老朽化等、参拝者を迎える体制が年々厳しくなっていた。
社務所はもともと、社殿から離れていたが、今回は社殿に寄りそう形で配置し、授与所、事務所、3分割可能な参集殿、社殿の内部と外部の段差解消を担うスロープとエレベーター等で構成されている。

社殿周囲にもともとあった高木を避けるように架けた折板屋根は正面からは社殿より低く、内部を進むと社殿がエントランスホールから眺められるように折れてのぼっていく。
内部にはいると社殿に対して順勾配から逆勾配にひねっていくヒノキ天井の下を徐々に上がっていく動線が構成されており、期待感を高める体験を可能にしている。
カフェ棟は社務所棟と共に、広場を囲む形で配置した。

WPTC世界チャンピオンにも輝く「ラ・ローズ・ジャポネ」の五十嵐シェフを招き、参拝者にとっては、仲見世のようなエンターテイメント、内部空間化した軒下でくつろいで語らう場を提供する役割を担っている。
広場は参拝を終えた子どもたちが走りまわる姿が見られ、宮司の理想としていた風景が具現化している。

photo:FUMITO SUZUKI